RNA Switch技術とは?

 

RNAスイッチとは?

RNAスイッチは京都大学・iPS細胞研究所の齊藤博英教授らによって発明された人工的な合成メッセンジャーRNAで、5'にターゲットmiRNAの相補配列とリポーター(例:GFP)もしくは作用遺伝子(例:アポトーシス誘導遺伝子)をコードする配列を含んでいます。その他の主な特徴は:
- 約1000nt
- 5'キャップ構造と3'ポリA鎖を含みます
- 修飾塩基を用いて合成されているため、細胞の自然免疫応答を抑制します。

 
  
 

RNAスイッチはどのように働くの?

RNAスイッチをトランスフェクション等で細胞に導入した場合、大きく分けて二つのシナリオが予測されます。目的の活性型miRNAが細胞内に存在しない場合、RNAスイッチは通常のmRNAと同様に働き、例えば蛍光タンパク質が翻訳されます。よって、細胞が光るという現象がおきます。一方、目的の活性型miRNAが細胞内に存在する場合、RNAスイッチと目的miRNAが結合し、この二本鎖RNAがRNA干渉マシナリーによって認識され、RNAスイッチは分解されます。よって、リポータータンパク質(GFP)は発現されず、細胞は光りません。この、細胞が光る・光らないという現象をとらえることで目的のmiRNAの活性を検知することができます。また、蛍光タンパク質の遺伝子の代わりにアポトーシス誘導遺伝子が組み込まれている場合は、目的のmiRNAの非存在下ではアポトーシス誘導因子が発現し、細胞を死滅させることができます。よって、目的のmiRNAを発現する細胞を濃縮・純化させることができます。

 

RNAスイッチで何ができるの?

RNAスイッチの活用法として、
1)特定の分化細胞内で活性を持つmiRNAに対応するRNAスイッチを用いて再生医療や薬剤の評価に使用するiPSC/ESC由来の細胞の選別・純化、
2)特定の未分化・分化細胞もしくは疾患特異的に活性を持つmiRNAを網羅的に解析することによって、細胞運命を決定付けたり、転換させたりするmiRNAや創薬シードとなるmiRNAの探索等に用いることができます。